2018年09月07日

再発防止「見届けたい」 群大病院手術死問題

 前橋市の群馬大病院で腹腔(ふくくう)鏡などの手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、患者9人の遺族でつくる遺族会が8月、群大と再発防止の約束や損害賠償(非公表)の支払いを柱とした合意書を交わした。遺族会代表で、父親を失った前橋市の会社員木村豊さん(49)は自宅で本紙の取材に応じ、合意したことを仏壇と墓前に報告した際に心残りが募ってきたという複雑な心境を打ち明けた。 (菅原洋)

 「執刀医らにはいまだに、行政処分や刑事処分がない。群大が再発防止のために開いている委員会は、報道機関などへの情報公開に後ろ向きだ」

 木村さんは物静かだが、毅然(きぜん)とした口調で語る。歯科技工用技工機器

 この問題で、二〇一五年に退職した執刀医は後に懲戒解雇相当に、上司の教授は諭旨解雇になった。

 木村さんらは昨夏、双方が弁護士を同席させて二人の医師に面会。しかし、木村さんは「自分たちの非は認めず、謝罪があったとは受け止めていない。誠意や反省も感じられず、責任逃れをしていた」と憤りを抑えるように話す。歯科レントゲン

 このため遺族会は昨年九月、厚生労働省へ二人の行政処分を求める要望書を提出。八月十日に交わした合意書には、遺族会が二人の行政上と刑事上の責任追及を続行できる点を盛り込んだ。

 一方、群大は今年六月、再発防止策の状況を検証しようと、木村さんらも招いた医療推進委員会を開いた。ただ、群大は個人情報保護などを理由に委員会を報道機関に公開していない。合意書には、群大のホームページに情報を公開する点を入れ、遺族会は報道機関への公開も別途要望書で求めている。

 合意書には、再発防止策として「インフォームドコンセント(患者と家族への説明と同意)」の録音・録画と手術の録画も含めた。これまで問題の背景に説明の不十分さなどが指摘されたためだ。

 木村さんは「合意書は一つの区切りだが、これからの内容も多い。遺族会代表として実行を見届けたい」と決意を新たにしている。

 木村さんが遺族会代表を務め、この問題に取り組むのは一一年に八十歳で亡くなった父貞治(ていじ)さんへの思いが強いからだ。

 木村さんによると、肝臓がんとなった父について、執刀医は「腹腔鏡手術が傷が小さく、年齢的に負担が少なくて良い。すぐに元気になって退院できる」と説明。しかし、術後は容体が悪化して意識は戻らず、約二カ月後に亡くなった。

 「父が別の手術を受けたこともある群大を信頼していた。子どもの頃は釣りに連れて行ってくれ、大人になると父子で酒を酌み交わした。父はおおらかな人だった。父と術後、一度でも話をしたかった」

 木村さんは父の面影を追いながら、これからも群大を注視し続ける。

<群馬大病院手術死問題> 群馬大病院では2014年、同じ執刀医から肝臓の腹腔鏡手術を受けた8人の患者がその数年前から相次いで死亡していた事態が発覚。その後、同じ執刀医から肝臓の開腹手術を受けた10人の患者も亡くなっていたことも判明した。第三者の有識者による委員会の報告書は、「長年にわたり死亡事例が続発しても見過ごされ、対応されなかった」と指摘した。

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